筐体板金

ディスペンサーフレーム部品
製品外観部品
(キャビネットカラー鋼板)
液晶パネル塗装部品

当社では、各種製品の構造設計に基づき、筐体部品の最適な素材選定から、板厚・構成・組立工法に至るまで総合的に検討し、製品の仕様や使用環境に応じた最適設計を行っております。また、製造現場においては加工工程の短縮・省力化も視野に入れた事前検証を行い、コストパフォーマンスと品質の両立を追求しています。

【使用鋼種の柔軟な対応】
取り扱い可能な鋼材は多岐にわたり、溶融亜鉛メッキ鋼板(SGCC、SGHC)、電気亜鉛メッキ鋼板(SECC、SEHC)、一般鋼板(SPCC、SPHC)をはじめ、耐食性や意匠性を重視したステンレス材(SUS304、SUS430 他)にも対応しています。製品の機能性やコストバランスに応じた鋼種選定が可能であり、お客様のご要望に沿った最適材を提案します。

【多様な組立工法】
組立工程では、製品構造や生産ロット、使用環境を考慮し、最適な工法を選択しています。スポット溶接による抵抗溶接組立や、精密さと強度を兼ね備えたTig溶接、量産性に優れたMig/Mag溶接のほか、ビス・ネジによる締結組立、カシメ加工など、製品に合わせた柔軟な工法に対応可能です。溶接と機械締結を組み合わせたハイブリッド構成にも対応しており、設計段階からの相談も承ります。

【加工工程の一貫対応】
CAD/CAM設計を起点に、レーザー複合加工、プレスブレーキ加工、ネジ立て(TAP)、洗浄、組立に至るまで、社内および提携先との連携体制により一貫した加工対応が可能です。製品ごとのロット数や納期、ご予算に応じた加工手順の最適化も実施しており、短納期対応やコスト低減にも柔軟に対応します。

【表面処理・仕上げ対応】
外観や耐久性を左右する表面処理工程においても、粉体塗装・溶剤塗装・電気メッキ・カチオン電着塗装など、多様な表面処理方法に対応しています。お客様の仕様に応じて、複数の協力塗装メーカーとのネットワークを活かし、品質・コスト・納期の観点から最適な処理方法を提案します。塗装・メッキ前処理工程の品質管理も徹底し、製品外観の均一性と耐久性の確保に努めています。

【外観部品のコスト最適化提案】
塗装が必要な外観部品については、あらかじめ塗装済みのカラー鋼板(カラー鋼鈑)を使用することで、塗装工程を省略し、表面処理費用や加工工数の削減を実現するご提案も行っております。意匠性とコストダウンを両立させたい場合にも、有効な選択肢としてご活用いただけます。

筐体板金とは

筐体(きょうたい)とは、電子機器や機械装置の外側を覆う構造物を指し、「ボックス」「ケース」「ラック」「ハウジング」などと呼ばれることもあります。
製品によってその大きさや形状はさまざまであり、小型の電子部品用ケースから、大型の制御盤や装置全体を覆う筐体まで、用途に応じて多種多様な設計がされています。

筐体の主な役割は、内部に収められる電子基板や配線、モーター、センサー、電源ユニットなどの各種部品を安全かつ効率的に配置し、それぞれのパーツの位置や構造をしっかりと固定することにあります。これにより、製品の組立や保守性が向上し、安定した動作を実現するための土台となります。

また、外部からのホコリや水分、油分などの侵入を防ぐ密閉性を備えることで、精密機器の性能低下や故障を防止し、製品の信頼性や耐久性を高める役割も担います。さらに、落下や衝撃、振動といった物理的ストレスから内部部品を保護する構造としての重要性も高く、特に産業用途や屋外設置型の装置では、強度や防塵・防水性能が重視されます。

このように、筐体は単なる外装ではなく、製品全体の性能・品質・安全性を支える基盤として、設計・材料選定・加工精度が非常に重要視される構成要素のひとつです。