開放型タンク

ディスペンサータンク(温水)
材質YUS-27A
板厚0.8t Φ143mm 180mmx180mmx深さ250mm
溶接Tig溶接
リーク検査水没検査

不働態化処理(酸洗)

冷水機タンク
材質YUS-27A
板厚0.5t 300mmx450mmx深さ200mm
溶接Tig円周溶接装置
リーク検査水没検査

不働態化処理(酸洗)

クーラント液タンク
材質SUS304-2B
板厚0.8t 250mmx250mmx深さ450mm
溶接Tig溶接
リーク検査水没検査

不働態化処理(酸洗)

開放型温水タンクについては、立ち上げ当初は溶接組立方式にて製作を開始しましたが、モデルチェンジにあわせてVA提案として絞り加工タンクへの切り替えを実施しました。本製品は、絞り率の限界を超える深さを有しており、通常の冷間プレス加工では加工難度が高く、工程数も増加する形状であったため、対応策として温間プレス工法を採用。金型をヒーターで加温することで材料の伸び率を高め、最小工程数での製品化を実現しています。

また、当社製造タンクでは、最小板厚0.5mmの角型絞りタンクと円柱型タンクの溶接組立工法の両方に対応しており、0.5mm厚の板材を1回目で深さ200mmまで絞り、2回目で再成形を行う製品では、タンク内面が外観となる特性上、成形時のシワやキズの抑制が重要となるため、高度な加工技術を求められます。

溶接組立においても、丸タンクと角タンクの接合部を重ね合わせ、裏ビードの外観(仕上がり)にも配慮して製作を行っております。

さらに、生産数量や初期費用など仕様に応じて、溶接組立による製品にも柔軟に対応可能であり、社内設計段階から嵌合性を考慮した部品展開図を作成し、加工工程・治具構築・試作・認定・初期流動・量産まで一貫したステップで製品化を進めています。

開放型タンクとは

開型タンクとは、タンク内部が大気と接している構造のタンクであり、密閉・加圧を行わない常圧使用を前提とした製品です。
タンク上部が開放されている、もしくは空気抜き用の通気口を設けることで、常に内部と外気圧が同一に保たれる設計となっています。

そのため、構造が比較的シンプルでコストを抑えられるという利点があり、主に温水タンクや貯湯槽、給水槽といった用途に広く使用されています。また、圧力負荷がかからないことから、タンク材には比較的薄板の使用が可能で、VA提案として絞り加工を採用することで、部品点数や溶接箇所を削減し、軽量化・コストダウン・外観品質の向上を実現することができます。

一方で、タンク内が大気とつながっていることから、異物混入や蒸発などに配慮した設計・運用が必要となります。さらに、温水タンクなど使用時に内面が目視されるケースでは、成形時のシワやキズといった外観品質にも高い水準が求められます。