密閉型タンク

密閉型タンク

当社は、西山オリジナル冷水機の製造を通じて長年にわたり培ってきた高い製造品質と技術力を活かし、タンク単体の精度向上や溶接・組立工程の継続的な改善に取り組んでまいりました。タンクの溶接作業のみならず、各種付属部品の精密な組付けやクーリングパイプの巻き付けといった工程に至るまで、半完成品（モジュール）として一貫した部品製造体制を社内に構築しており、安定した品質と納期でお客様にご提供できる体制を整えております。

製品の内部は目に見えない部分であるからこそ、私たちは『安心・安全・冷たく・美味しい』水をお届けするために、日々タンクの品質維持および向上に真摯に取り組んでおります。お客様からのご要望に対しては、耐圧性・耐腐食性を考慮したうえで、タンク形状の最適案を設計段階から検討し、それに基づいた加工工程の構築を行っています。さらに、構成部品の加工からタンクモジュールの組立まで、金型・治具・生産設備・インフラに至るまでを整備し、お客様専用の製造ラインを構築することで、安定供給を実現しております。製品完成後には、耐圧検査やヘリウムリーク検査（He検査）を実施するなど、万全の品質管理体制のもとで高品質な製品をお届けしています。

中でも、当社が製造する角型密閉タンクは、社内で唯一の特殊形状製品であり、医療関連機器におけるクーラント液冷却用として使用される高信頼性製品です。製品立ち上げ当初は溶接組立式の構造でしたが、VA（Value Analysis）提案により、金型による絞り加工を採用することで溶接工程を削減し、作業効率と品質の両立を実現しました。溶接部の削減によって液漏れリスクも大幅に低減され、結果としてお客様から高い評価をいただくVA製品へと進化いたしました。

これらの取り組みを通じて、当社はタンクの開発から製造・品質保証に至るまで一貫した体制を有し、お客様のニーズに応える高品質な製品づくりを実現する技術力と柔軟な対応力を、当社の強みとしております。

密閉型タンクとは

密閉型タンクとは、外部環境と遮断された構造を持つ液体貯蔵用容器のことで、内容物が外気と直接接触することなく、安全かつ衛生的に保管・使用されることを目的とした設計がなされています。密閉構造により、タンク内部の液体が酸化や揮発、異物混入といった外部の影響を受けにくく、安定した品質を保つことが可能です。これにより、医療機器や理化学機器、食品機械、冷却装置、化学薬品タンクなど、幅広い分野で高い信頼性が求められる用途に使用されています。

構造上の特長として、密閉型タンクはタンク本体に加え、気密性を確保するための高精度な溶接やガスケット、パッキンなどのシーリング技術が用いられており、内部圧力を一定に保つ必要がある場合には、圧力調整用のバルブやセンサーが装備されることもあります。また、密閉性を高めることで液体の蒸発や漏洩のリスクを最小限に抑えることができ、特に冷却用や薬液用途においては、高い安全性と効率性が求められる現場に適しています。

さらに、タンク素材としてはステンレス鋼やアルミニウム、樹脂素材など、使用環境や内容物の特性に応じた耐食性・耐圧性の高い材料が選定されることが多く、近年では溶接箇所を極力減らすための一体成形技術（絞り加工等）が導入されるなど、製品の信頼性と製造効率の両立を図る取り組みが進められています。

密閉型タンクの導入により、作業環境の衛生向上、液体ロスの削減、品質維持の安定化、さらには安全性向上といった多くのメリットが得られるため、今後ますますその需要は高まっていくものと考えられます。設計・製造においては、使用目的や求められる機能を正確に把握し、最適な形状・材質・構造を選定することが、タンクの性能を最大限に引き出す鍵となります。